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先端シーズフォーラム 「社会の高齢化に向けての挑戦 ~ 建設構造物の現状と課題、そして対応 ~」を開催

2017/02/15

 2月7日(火)13:30から、けいはんな学研都市の中核的な施設であり、京都府木津川市にある(国研)量子科学技術研究開発機構「関西光科学研究所」を会場に、先端シーズフォーラムを開催しました。

 当日は、折からの低気圧の影響もあり、時折日差しが差すものの、寒気と風の勢いが強まり、非常に肌寒い日となりましたが、関西各地から、35人の方が参加されました。
(主催:(公財)関西文化学術研究都市推進機構 共催:(公社)関西経済連合会 
後援:京都大学 学術研究支援室、(国研)量子科学技術研究所 関西光科学研究所)

 フォーラムの冒頭に主催者から、関西文化学術研究都市建設促進法が公布・施行されて今年で30周年となる記念する年であり、3月の記念行事を皮切りに、さらなる都市の発展や新たな産業を育成に向けて取り組んでいくと、参加者の皆さまに挨拶を行いました。

 その後、京都大学大学院工学研究科の塩谷特定教授と、関西光学研究所X線レーザーグループの錦野グループリーダーから、社会のインフラが置かれている現状や、抱えている課題や問題点、それらへの対応に向けた研究の一端についてお話をしていただくとともに、関西光科学研究所内の実験室に移動し、設備の見学を通じて、参加者には高出力レーザーの応用技術への理解を深めていただきました。

塩谷氏の講演

Prof. Shiotani02.jpg塩谷教授は、「高齢化が進むインフラ~現状への対応と将来を見据えた予防保全~」と題して、公共インフラの大きな部分を占める道路の路面部分="床版"を中心に、国内はもとより、英国ロンドンや米国、中国での事例も交えて課題を浮き彫りにし、その対応の一端を紹介していただきました。

その中で、床版などのインフラは、大きく4段階(図参照 : 導入期[Initial]、初期[Primary]、第2期[Secondary]、第3期 [Tertiary])の時間の経過につれ劣化が進み、その対策の多くは、第4段階の第3期に更新や補修の工事が行われていることが紹介されました。

Prof. Shiotani.jpg しかし、この方法では、"劣化の状況"を定量的かつ共通の指標で把握・評価することができず、対策の時期や内容にバラつきが出てしまうという課題を説明されました。またこの方法では、現在の課題や問題の発生が将来も繰り返される恐れがあり、将来世代が、また同じ課題に直面してしまうとの危機感を述べられました。

 このため、"初期"、"第2期"に相当する"予防保全"の時期に、適切な判断を行い対策講じることが重要であるとの、現在の研究に取組まれている"原動力"について、熱く語っていただきました。

fig.png 具体的研究内容として、インフラの劣化状況を判断するための定量的なデータ収集や評価のご苦労の一端を、床版の検査データと分析例の解説することや、TVのドキュメンタリー番組でのロケ現場でのエピソードなどを交えて、わかりやすくご紹介いただきました。


 
参加者からは、「インフラ検査以外の活用に向けた取り組みを検討したい。」との意見や、「実用に向けた研究の取り組みの紹介に刺激を受けた。」との声が聞かれました。

錦野氏の講演

Dr. Nishikino.jpg 続いて関西光科学研究所の錦野グループリーダーから、「インフラの長寿命化を支えるレーザー技術」と題して講演をしていただきました。
 講演では、老朽化したインフラへの対策として、より一層の適切な保守・保全技術の確立に焦点を当て、関西光科学研究所とその共同研究開発機関である理化学研究所、レーザー総合技術研究所、日本原子力研究開発機構が得意とするレーザー技術を用いて、安全(遠隔)に、高速、定量的、低コストに検査を行なうことのできる新世代の検査方法の研究・開発の状況を、そもそものレーザーの特徴についてユーモアを交えながら振り返りつつ、説明をしていただきました。

 参加者からは、「早い時期の実用化を期待している」、「応用範囲が広いという可能性を感じた。」、「建設現場の省力化技術に活用できないか考えたい。」との声が聞かれました。

デモンストレーション実験見学

 講演の後に、講演会場から関西光科学研究所の実験室に移動し、レーザーを用いたコンクリート内部検査の実験装置(レーザー打音検査装置)や、不具合の生じたコンクリートを切断・除去を目指す装置(レーザーコンクリート切断装置)のデモストレーション実験を見学しました。

 それぞれ、レーザーを発生させる装置から発射されたビーム光を、特殊な鏡を用いて狙ったコンクリート試験片に当て、打音検査装置では、レーザーがコンクリート表面を叩く音やスピードを、切断装置では、レーザーが当たる部分が1500℃の熱を帯び、試験片から煙があがる様子を、目の保護用のサングラス越しやモニター画面を間近で見て、参加者はレーザーがどのような働きをするのかについて、理解を深めることができました。

レーザー打音装置見学の様子レーザー切断装置見学の様子
(協力:日本原子力研究開発機構)
knock01.jpgknock02.jpg cut01.jpgcut02.jpg

フォーラムの概要

日 時 平成29年2月7日(火)13:30~16:45
場 所 (国研)量子科学技術研究開発機構 関西光科学研究所 多目的ホール
(京都府木津川市梅美台8-1-7)
開 催 主催:(公財)関西文化学術研究都市推進機構
共催:(公社)関西経済連合会
後援:(国大)京都大学 学術研究支援室
   (国研)量子科学技術研究開発機構 関西光科学研究所
プログラム

13:30~13:35 主催者挨拶

13:35~14:20 第1部 講演
  講師 塩谷 智基氏(京都大学大学院工学研究科 特定教授)   

14:30~15:15 第2部 講演
  講師 錦野 将元氏
  (量子科学技術研究開発機構関西光科学研究所
  X線レーザー研究グループリーダー)

15:20~16:45 第3部 設備見学
  レーザー打音装置等のデモンストレーション及び全体質疑

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