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ベンチャーGOGO! セラミック膜で溶剤分離 イーセップ(京都新聞H27.11.23)

2015/12/23

化学溶剤を分子レベルで分離する膜を開発している。表面に0.1ナノメートル(ナノは10億分の1)単位で精密に制御した穴を空け、通過する分子と通過できない分子に分ける。例えば水と混ざった酢酸から酢酸だけを取り出す場合、穴の直径を0.4ナノメートルにすることで0.3ナノメートルの水の分子だけを通過させ、0.43~0.47ナノの酢酸の分子を通さずに脱水させる。

分離する穴は、セラミックの表面に塗った特殊な膜に空けている。仕組みは単純だが、正確な大きさの穴を均一に並べ、実用化を可能にしたところに技術のノウハウがあるという。酸性の溶剤はほぼカバーし、化学溶剤の種類や用途によって対応できるという。

現行の化学溶剤の分離方法は、加熱と冷却を繰り返す蒸留が主流だが、膜を通すだけならエネルギー消費量が大幅に削減できる。アルコールや有機酸を脱水する場合、セラミック膜を使えば蒸留に比べて60%以上の省エネルギー化が可能という。

澤村健一社長は「ICチップが進化してパソコンが小型化したように、蒸留施設が膜に変われば化学プラントも小さくなる。化学産業が消費するエネルギーの4割は分離に使われているため、省エネ効果はかなり大きい」と話す。

既にポリマー素材の分離膜があるが、溶けやすいことなどから150度程度までの低温や低圧でしか使えない課題があった。一方、セラミック膜は500~600度まで利用でき、耐久性も高い。セラミックは多孔質のため分子が通りやすい利点もある。

次世代エネルギーの本命と言われる水素にも注目している。水素を有機物に固定化して持ち運び、セラミック膜を通して効率的に取り出す「モバイル水素プラント」の開発を視野に入れる。

ノートパソコン1台を手に起業したのはわずか2年前だが、実用化に向けた研究開発をほぼ完了した。サンプル出荷した国内大手化学メーカーの反応は上々という。

年内の稼働を目指して大分県に量産用の工場を建設している。

澤村社長は「セラミック膜による分離は簡単でエコな上に効率的。国内外で事業を展開し、早期に株式上場を目指したい」と意欲を見せる。20151123kyoto_e-sep.png

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